ドイツの美大受験〜聴講生番外編〜
一通り、ドイツの美大合格までのてんやわんやを書き綴ってみましたが、
大事なことを書き綴り忘れていました!
「聴講生」
についてです。
※ちなみに、聴講生といっていますが、うちのアカデミーの場合、聴講生と訪問学生(研究生?)という二つの区分があり、わたしは後者の立場だったのですが分かりやすくするために聴講生と書きます。単位などは気にせず制作だけしてればいい割に、教授は作品に親身になってくれるし、語学の授業を格安(一ヶ月集中講座5000円とか)で受講できたり、学生定期(これまた激安)をゲットできたり、学生証も正規の学生と同じ効力だったり(美術館タダ)・・・むしろこの制度使うのが一番受験準備としては最適なのだと、その立場になってから気がつきました。わたしは他校に進学しましたが、うまくやれば聴講生のコネでそのまま正規学生になれるチャンスも普通にあります。
しかし来たばかりのわたしはそもそもこの制度を知らなくて、
いや、なにも
本当になんっにも
決めないでドイツ来ちゃったので、年齢的にすべりこみだったこともあり
とりあえずワーキングホリデーという制度を使うことにしました。
ワーホリはドイツの場合31歳の誕生日までなら申請でき、
抽選などもないので年齢的に問題なければ誰でも1年間はドイツにいられます。
働く時間も自由、働かなくても自由、学校行ってもいいし、ひきこもりでも良い。
という、なんていうか、大手を振って適当に生きられる1年間の切符です。
わたしも割と仕事を辞めたばっかりであたまぼーーーっとしていたので、
そういう1年を送るのだとばかり思っていました。
しかし問題は、アトリエはどうするの?
ってこと。
ベルリンにいたわたしは、たくさんアトリエ貸しの広告を見ましたが
家賃+アトリエ代=高い
ので家でこちょこちょ描いたりしてました。
しかし、翌年の受験を控えマッペもしっかり作りたいし(勿論油絵具で。)
こりゃ普通のWGじゃ無理だな・・・と
そんなとき、わたしがのちに聴講生をすることになるアカデミーの
友達から連絡がきました。
彼もまた聴講生で1年だけドイツで制作し、帰国しました。
「聴講生やれば?うちで」
と、いきなり言われ、
「そんな簡単になれるものなの・・・・?」
と半信半疑でしたが
彼の通うアカデミーのサイトを覗くと気になる教授が2人ほどいたので
ダメ元でメールしてみました。
「わたしは日本人でもう卒業してますが、あなたの作品をみて是非学ばせてもらいたいと・・・・・・(ファイル添付)、」、と。
しかし時は7月。
7月の終わりには夏休みに入り、10月には新学期が始まります。
想像した通り、一人から返事が来て、
「もう次のセメスターはクラスのメンバーが決まってしまって満員です。」
と言われてしまいました。
こりゃだめか、と思ったら
例の友達から電話が
「おめでとう!うちのクラス是非取りたいって!」
????????????
え、どういうこと?
と思ったら、なんと、気になるーと思ってメールした一人の教授が
その友達のクラスの教授だったらしく、
すぐ電話してあげるように言ってくれたらしいのです・・!!!!
本当に偶然!!
しかも作品を気に入ってくれたらしく、
時期が遅かろうとなんだろうと教授が言えばだいたいOKなドイツ、
とんとんと話が進み、晴れて聴講生としてアトリエ問題をクリアすることができました。
アトリエだけでなくとにかく最初に書いたように様々な特典付き!!
まさに至れり尽くせりとはこのこと!!
ベルリンを離れるのは悲しかったけど、
こうしてまとまったマッペ作りに専念できてなかったら
きっとドイツに残れてないので、本当によかった。。
ただ街やアカデミーによって聴講生のシステムは違うので
一度確認したほうがいいと思います。